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夏の蛍 さん からの投稿
【面白い話】父の少年時代
最近聞いた父の少年の日の思い出の一つに、忘れられない笑い話がありました。
父が小学校の頃、クラスに転校生がやって来た時のことです。
父は年齢の割に体が大きく貫禄があったそうです。
本人には、当時そんな自覚はありませんでした。
ある時、父は担任の先生が教室にいない時に、
教壇の近くにあった先生のパンパンになった鞄を、
同級生の友だちとこっそり持ち上げて力比べをしていました。
『なんで鞄にこんなに詰まってんねん!』と言っていると、
教室に入ってきた転校生がこう言ったそうです。
『はじめまして。僕はフジサワケンジっていいます。今日からここのクラスでお世話になります』
そう挨拶をされて父は『お、おう、よろしくな』と答えたそうです。
すると、そのフジサワ君はこう続けたそうです。
『わぁ、鞄が重そうですね。先生はいつもそんなにたくさん荷物を運んでいるんですか?良かったら僕が持ちますよ。』
そう言われた父と同級生は一瞬固まって、
しばらく微妙な空気が流れたそうです。
父は『転校生に担任と間違われるほど自分は老けてるんや』と絶望したそうです。
しかも、父が持っていた鞄は女性物だったそうで、
二重にダメージを受け、友だちが必死にフォローしても、
しばらくずっと落ち込んでいたそうです。
そんなバカなと思ったのですが、
当時の頃の父の写真を見せてもらった時は妙に納得してしまいました。
そこには、到底小学生に見えないショートパンツとセーターを着た父がみんなに浮いて写っていました。
何十年も昔の話なのに、全く変わらない父を見て驚いたものです。