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ペンギン侍 さん からの投稿
【面白い話】職場の自由さの限界に挑み続ける兄
私には十歳上の兄がいます。
兄の勤め先には決まった制服や服装の規定はありません。
「社会人としての常識の範囲内」であれば、自由な服装で出勤・勤務して構わないという自由な職場ではあります。
私の兄は職場の自由さの限界に挑み続けて、職場の社長に頭を抱えさせているのです。
ある朝の兄の出勤姿は、新聞紙で作った大きな折り紙の兜に。
学生時代の部活で使っていた剣道着。
そんな格好で車に乗って外出するだけで相当なのに、途中のスーパーで柏餅を購入し、悠々と出勤してタイムカードを押したところで社長に確保され、注意を受けた兄。
「僕は日本人として季節感を大切にしたいんです!」
その日は5月5日の端午の節句。
祝日に関係なく仕事なのが不満だったのでしょうか。
兄は罰として持参した画質を社長に没収されました。
しかし、兜に剣道着の姿で1日仕事を終えて帰ってきたのですからビックリです。
兄の限りなく仮装に近い通勤スタイルは、クリスマス、ハロウィーン、ひな祭りなど、カレンダーに合わせ季節に合わせ多岐に及びます。
毎回毎回、職場の受付を妙な格好で突破しようとする兄は、社長にも受付のパートさんにも要注意人物としてバッチリ目をつけられています。
深刻に処罰を受けないで済んでいるのは、比較的緩い職場だからなのか、それとも兄が変人のクセに異様に仕事だけはできる男だからなのか……。
先日は、街の洋裁店で真剣に生地を選んでいる兄を見かけてしまいました。
最近はミシンまで買って、絶対に怒られる仮装の為の衣装を自作までしているのです。
手に取っていたのが明らかに女性モノの派手なピンクの生地だったのが、今からとても不穏な予感がしています。